メーター加工ノススメ



突然ですが、純正メーターに満足していますか?
私は、してません。
せっかくのライトウェイトスポーツだというのに、基本レイアウトは他のスズキ車と同じ。
やはりここは、ブリティッシュイメージ漂うメッキリングの真円メーターが欲しいところです。

クルマのメーターは、文字パネルを外すことが出来ます。
これはつまり、好きな文字パネルを作成できるということ。
これを応用してELメーターを作成している人も結構おられますね。

また、クルマのメーターは、針を外すことができます。
まあ、これが出来なければ文字パネルが外れないわけですが。
ということは、メーターの0点を好きな位置にできるということ。
純正位置はもちろん、0度や270度もできますし、とんでもない角度でも大丈夫。

そんなこんなで、色々と加工してみることにしました。

version1




いくら先駆者が居て、加工が出来るとは判っていても、やはり今使っているメーターを加工するのは勇気が要ります。
そんな勇気は持ち合わせていませんので、中古メーターをやふおくで入手してから作業開始です。

最初はメーターパネルを作るところから。
先ずは文字パネルが作れなくては意味がありません。
どんなメーターにしたいのか、デザインイメージを考えましょう。
私の場合は以下の条件を挙げました。
デザインを考えたら、作図開始です。
先ずは分解した純正パネルを計測して、各メモリ間の角度を計測します。
これを元に、製図ソフト等でメモリを埋めていきます。
私の場合、MS-Wordを利用しました。要はアウトラインで印刷できればよいですので。
まあ、作成は結構大変になりますが、入手性やら操作の習得時間やらを考慮してこれにしました。

純正では、0点近くのメモリが狭くなっています。
これは、メーターがそういう動作をするというわけではなく、0付近の動作がスムーズではないことから、そんな風になっているのです。
つまり、0点から等間隔にメモリを割り当てても支障はないということ。
純正の文字パネルにはストッパーが付いていますが、私は付ける気がなかったので、メモリを等間隔にしました。

そんなこんなで作図したら、紙に印刷してみます。
純正は樹脂の板に印刷されていますが、素人ですのでそんなことは出来ません。
また、試作段階でもありますので、普通紙にインクジェットプリンタで印刷してしまいます。
出来れば、この時点で実際に車載して、試走しておくとよいかも。
見え方など、文字パネルの問題点は早めに洗い出して修正してしまいましょう。

私の場合は真円メーターを希望していますので、純正の半月形メーターでは問題があります。
とりあえず純正メーターの黒パネルを削りだして真円にしてみました。
速度計とタコだけですが…さすがに純正加工、意外によい感じになります。
無事に真円メーターになったので、最初の段階としては満足です。

最後に、ODOの数値を今まで使っていた無加工メーターに合わせます。
速度計を取り出してみると、ODOのギアは分解できるのが判るかと思います。
これを丁寧に力技で外すことで、好きな値に変更できるわけですね。
やふおくで、以前に落札したらしいメーターのODOだけ変更して売ってる方を見かけたことがありますが…。高値は付いたんですかね。

完成したら、車載して試走してみます。
この車載が、実は一つの関門です。
というのも、メーターの針を正確な位置に合わせるには、通常は走行しながら挿すしかないからです。
走行しながら正確な位置に針を挿すというのは、かなり神業に近い危険行為です。
この針がまた、差し込む途中でずれるんですよね。

私も苦労したんですが…
いろいろ試行錯誤している最中に、メーター電源ONで針は0点を示すことに気づきました。
ここで言う0点とは、純正メーターの0の位置じゃありませんよ。
純正メーターでは0付近のメモリが省略されていますが、これをきちんと割り振った場合の0点です。

先ほども書きましたが、純正メーターの0点付近が省略されているのは、この辺りの動作が不安定になるからです。
それを承知の上であれば、メモリは全て等間隔で構わないのです。
そうすれば、上記の通り、電源を投入するだけで針を挿すことが出来ます。
どうしても0点付近を省略したい人は、メーターパネルの見えない位置に0点位置を示すマークでも入れておけば良いかもしれませんね。

この発見のお陰で、いつでも正確な位置に針を挿せるようになりました。

version2




しばらくversion1を利用していたんですが、水温・残油計だけ半月形なのが気になります。
また、材質と印刷方式の違いから、文字盤の色がここだけ異なってしまいます。
やはりこれも作成しなおすことにして、メーターパネル作成再開です。

水温・残油計には各種警告灯が付いているのが厄介です。
とりあえず警告灯デザインはWordで頑張って作るとして、どのように配置するかが問題。
どうせなら速度・タコ・その他で真円が3つで構成されたメーターにしたいところですが、もともと水温計と残油計という2つを1つに合わせ、さらに各種警告灯まで詰め込んでいますので、バランスが難しいです。
結局のところ、水温・残油計をそれぞれ別の円に配置し、これらが重なり合っているイメージにしてみました。
警告灯もそれぞれを円に配置して、たくさんの円が重なっているイメージです。

水温・残油計をそれぞれ別の円に配置することになると、純正メーターの加工では無理が大きいです。
ここは一つ、これも自作してしまうことにします。
材料は、100円ショップの黒いバインダー。ええ、高級素材なんて不要です。
採寸して、サークルカッターで円を切り抜いて。
サークルカッターのヤワさに苦労しましたが、どうにか加工して自作文字盤と組み合わせてみます。
意外に良い感じかな、というところで、一通り纏めて車載しました。
またまた動作チェックです。

version3




version2の時に箱根ターンパイクを登ったんですが、O2センサの調整に失敗し、途中で警告灯が点灯してしまいました。
日中だったんですが、警告灯が点灯しているのが非常に判りにくく、暫く気づきませんでした。(汗)
文字盤は拘って黒にしていたわけですが、このお陰で警告灯が白抜きになってしまい、点灯状況が判り難くなってしまったわけです。

また、紙に印刷した文字盤は、湿気でふやけてしまいました。
某所で書かれている「オーザックメーター」状態です。
個人的に、この名称はなんとなく格好良く感じてしまうのですが…(笑)

さらには、せっかく多数の円が組み合わさっているデザインなのに、特に水温・残油・警告灯のあたりはごちゃごちゃして非常にわかりにくいです。デザイン的に大いに不満です。

…とまあ、車載して実走することで、これだけの問題点が洗い出せるわけですね。(笑)
一つずつ解決してゆきます。

まず警告灯。
純正は、透明パネルに文字盤が印刷されています。
このため、各警告灯は透明になっており、ランプ消灯時はほとんど黒にしか見えません。
これを踏襲して、OHPシートに印刷することにしてみます。
ついでに、「ふやける」という問題もクリアできるのではないかと期待してみます。

残るは真円デザインですが。
もともと「メッキメーターリング」に憧れていますので、メーターリングを付けることで個々の円を目立たせることにします。
こちらは、丁度良い円状のモノを探し続けたものの、結局は見つからず…。
メーターパネルと同様に黒バインダーからリングを切り出し、これにメッキスプレーすることにしました。

方針が決まったら作成です。
OHPシートに印刷すると、なかなか良い感じです。
でも、光がよく透けます。黒い部分も塗り潰しきれていないようで、光が漏れます。(汗)
試行錯誤の結果、プリンタの設定を変えて回避します。


印刷したOHPシートをメーターに付けてみると…今度はネジ留めした位置が歪みます。
しかも、表面は光沢です。日中には乱反射して見難いです。
それでも、せっかくだからと実装して走行してみたのですが、やはり見難くて使い物になりませんでした。

仕方が無いので、対策を考えます。
まず、文字盤としては普通紙に印刷した方が良いです。
問題はふやけてしまうことですが、これは紙を厚くすることで対処します。
安い厚紙に印刷したら薄ぼけてしまいましたので(汗)、今まで使っていた紙の裏にOAシール用紙を貼ることにします。

一方で、やはり警告灯はOHPシートを使いたいところです。
こちらは、表面積がかなり狭いですし、私の場合は全て円で構成してますので、個々の警告灯部分だけOHPシートにすることで対応します。
普通紙とOHPシートのハイブリッドですね。(笑)

一方のメッキ風リングですが。
やはりサークルカッターの使い勝手が悪くて苦労してますが、とりあえず切り出しは完了。
これにメッキ風スプレーで塗装すると…ただの銀円になりました。(涙)
何度か試してみたんですが、どうも改善しなさそうなので、この状態で組んでしまいます。
なお、警告灯類の小さい円は1mm厚のアルミパイプを輪切りにしました。こっちは良い感じです。

これまた実装して試走。
視認性は格段に向上しました。これなら警告灯の見落としも心配ありません。(笑)
当面の満足感とともに、この状態で1年くらい走ってました。

version3.1




version2の頃から、メーター照明をLED化していたんですが。
何故か、安物高輝度LEDが3ヶ月くらいで切れてしまいます。
また、純正位置に入れたのでは、文字盤の違いもあって均一な光り方をしてくれません。
この辺りを修正してみることにしました。

純正の電球はT10というサイズが4つ入っています。
これにLEDを搭載すると、手持ちの5φLEDでは1灯あたり4粒が限界。
また、純正の文字盤は、盤面を均等に光らせるために裏側に幾何学模様(笑)が印刷されていますが、自作でそこまで対応するつもりはありませんので、電球位置だけ明るく、他の場所(特に下側)は暗くなってしまいます。

せっかくLED仕様にしていますから、純正の電球とは無関係に配置してしまうことにします。
LEDは3粒でひとまとめにすると効率が良いので、速度計とタコメーターには6粒ずつ。
水温・燃料計も同様にしたかったのですが、後述の理由から不可でしたので、2粒×2で4粒です。
これを、抵抗ではなく定電流ダイオードで駆動するようにして、過電流が掛からないようにします。

とは言え、純正位置に付けていた頃も、実は定電流ダイオード仕様で使っていたことがあります。
それでも切れてしまっていたので、原因は違うところにあるのかもしれません。
ここで怪しいのが、水温・燃料計が発する熱です。
これがまた、とても熱くなってしまいますので、アルミテープで簡易に断熱してしまいます。
この関係で、水温・燃料計にはLEDを計4つしか使えませんが、仕方ありません。

熱対策の一環として、発熱体である定電流ダイオードとLEDを離して設置します。
小さな基盤をいくつか作成し、それぞれの間は配線で接続します。
ついでに、LED切れ問題が万一解決しなかった場合を考えて、LEDは半田付け無しで交換できるようにしておきます。(苦笑)

最後に、逆起電流が発生している可能性を考えます。
白や青のLEDは、とにかく不正電流?に弱く出来ています。
一方で、クルマの発電機は交流電流を整流して直流にしていますが、モノがモノだけに完全とは言い難いです。
このため、ダイオードを追加して、電流が一方向にしか流れないようにします。

とまあ、こんな感じで一通り作成しましたので、暫く使ってみることにします。
version3の最後の頃に施行してますので、version5が出る頃にはご報告できるかと思います。
version5が出なかったりして…

version4




1年も使っていると、version3もアラばかり見えてきます。(笑)
ここらで一つ、一念発起して更新してみることにしました。

先ずは、現状の問題点のおさらいです。
  1. メーターリングに針が引っかかり、動かなくなる時がある
  2. メーターリングが安っぽい(爆)
  3. 速度計・タコメーターが湿気で動かなくなるときがある
1番については、version2の時には全く無かったんですが。メーターリングの分だけ厚みが増えたことで発覚してしまいました。
2番と合わせて、やはりメーターリングとして別の素材が必要そうです。
3番は中古購入したメーターの所為と思われますので、購入時に付いていたメーターに交換です。

メーターリングですが…やっぱり丁度良いモノが見当たりません。
捜索範囲をゴム製品にまで広げてみたんですが、やはりありません。
仕方が無いので、発想の転換をしてみました。

実はこのメーター、リングの下のほうはメーターパネルに隠れてしまって見えません。
ということは、完全な円でなくても良いのです。
綺麗な円形になれば、下のほうに切れ目があっても問題なし。
どうせ水温・残油計は円を組み合わせていますから、加工が必要ですし。

方針が決まったら、材料探しです。
メッキと云うからには、出来れば金属系の素材で磨き加工したいところです。
加工しやすくて入手性が良い素材といえば、鉄、アルミ、ステンレス。
鉄は錆び易く、ステンレスは加工が難しいので、アルミが望ましいところ。

ということで、アルミ平棒1.5t×10mm幅を選択しました。
これを縦に使って、熱しながら適切に円形加工します。
丸めたら、適切な長さで切断。
メーターパネルの円の切り抜きを拡張して、メッキリングもどきを嵌め込みます。
タコメーターは少々短く作ってしまったのですが、どうせ切れ目の部分は見えないので問題なしです。(笑)

メインのメッキリングが10mmの高さになったので、ついでに警告灯類のリングも10mm高で統一します。
前回はカラーパイプをメッキスプレーで塗ったのですが、今回は塗りませんでした。
警告灯類のうち、小さい円はガンメタ調のアルミパイプを利用したので塗る必要ありません。
大きい円は赤パイプですが、切断面はアルミ色ですし、どうせ赤く光る警告灯に使うので…。
「後で直そう」と思って設置したら意外に気にならなかったのでそのまま適用した、というのは秘密です。

こうして出来たモノは…我ながら結構な出来栄えです。
何と言っても、針が途中で引っかかったり、雨の日の翌日に針が暫く動かなかったりすることがありません。(爆)
嬉しさに任せてblogに掲載したところ、予想外の反響まで頂いてしまいました。(嬉)

version4.1




私が持っているメーターは2つありますが、どちらもODOが5桁のモデルです。
30万km走行計画を目論んでいるkajaとしては6桁モデルが欲しいところなんですが。
何故か、やふおくでは高騰してしまうため、手が出ませんでした。

そんな中、加工済みのメーターパネルを出品している人が現れました。
6桁モデルですが、他車種流用のために加工したものの、結局はご自分のクルマでは使えなかったとか。
欲しいのは速度計だけなので、kaja的には全く問題ありません。
虎視眈々と狙いを定め、誰も入札しないのを見計らって開始価格で入手しました。(笑)

こうして、念願の6桁モデルになりました。
これで、来るべき10万km超過の瞬間も安心です。(何が?)

version5…?


ある日、Webをうろついていた所、カプチーノの純正メーターをとても大胆に加工している方を見つけてしまいました。
デザインやら何やらを真似するつもりは無いのですが、そういうアプローチは、デザインの自由度が増します。

また、純正水温計の不感領域を無くす方法も見つけてしまいました。
これがまた、簡単に出来てしまうようです。
そうなると、少なくとも水温計の文字盤は再作成になります。

というわけで、version5が公開される日も近い…?
水温計だけならversion4.2かな?

version4.2



純正水温計の不感領域を改善する方法があるとの噂を聞き、調査してみました。
意外に簡単に出来そうでしたので、実践してみました。

元々、kajaは「水温計は純正で十分」派です。
純正水温計は「針が振れはじめたら手遅れ」ということをよく聞きますが、そんなことはありません。
それで手遅れなのは、水温計関連のどこかが壊れているか、あるいは単純に持ち主が気づかなかっただけなのです。
だって、純正水温計だって、水温が100℃を超える頃にはきちんと針が動き始めるのですから。
水の沸点は確かに100℃ですが、LLCはもう少し高いですし、少々加圧されているクルマの水温はさらに沸点が高くなっています。
これらの点からも、十分に役に立つことは容易に予想できると思います。

とは言え、決して純正水温計の動きが望ましいと思っているわけではありません。
一般向けに考えると純正水温計の動作は仕方がないと思いますが、出来ればきちんと動いて欲しいと常々思っていました。
つまり、この改造は、kajaにとっては正に「渡りに船」なのです。

前置きが長くなりましたが。
改造自体は、水温計をメーターアッシから取り外せれば、それほど難しいことではありません。


ドライバーで示しているパーツが、不感領域を発生させている元凶「ツェナーダイオード」です。
これが無ければよいわけですので、切り取った上で短絡してやればOK。
さらに手を抜くのであれば、写真のように、ツェナーダイオードと並列に線を入れるだけで構いません。
ツェナーダイオードの右側に斜めに入っているハリガネですね。もちろん、半田付けは必須ですよ。
これなら純正状態に戻すのも楽なので、お勧めです。

さて。水温計はこれで良いのですが、問題は文字盤です。
せっかく不感領域が無くなったわけですから、きちんと温度値を書いてやりたいところ。
ですが、サービスマニュアルを見ても、このあたりは大雑把にしか載っていません。
大雑把なだけならともかく、許容誤差がかなり大きいですので、正に参考にしかなりません。

温度(℃)抵抗(Ω)
50
133.9〜178.9
80
47.5〜56.8
100
26.2〜29.3

簡単な策としては、純正同様に数値を書き込まないようにすることでしょうか。
その上で、電動ファンの始動・停止のタイミングそれぞれの針の位置を覚えておく、と。
水温センサーの位置の関係からか、ファンの動作タイミングと水温計の針の動きには微妙にタイムラグがあります。これは社外品でも同じかもしれませんが。
この手であれば、文字盤は純正のままで構いませんので、そういった意味からも楽ですね。

なお、水温が安定した状態での針の位置は、純正の頃とはかなりずれると思っていてください。
くれぐれも、水温回りに異常が無いことを確認した上で改造することをお勧めします。
私も、サーモスタット異常が発生していたので、暫くおあずけ状態でした…

なお、現在では、サービスマニュアルの平均値を取って記載した温度数値と実際の値の間に大きなずれが発生しています。
どう対処するか、暫く考え中です…。
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