TZR50(3TU)


ある日、思い至って入手することにした50ccレプリカ。
汗と涙とお笑い?の顛末記です。
(日記のダイジェスト版です)



  1. 入手計画発動!
  2. ワレ、捕獲ニ成功セリ
  3. 始動できない?
  4. 1に練習、2に練習。
  5. 再び始動できず。
  6. おっちゃん、TZRのエンジンはナンボや?
  7. 転んでも ただで起きたら貧乏人
  8. 復活!
  9. バッテリー充電せず
  10. さあ改造だ
  11. もいっちょ改造
  12. そして 伝説へ 放置プレイへ
  13. さよならTZR

入手計画発動!

2003年7月

それは、とんでもなく忙しいプロジェクトに参画して1年半が経過した頃。
ストレス解消を兼ねてWebを見ていると、「2輪免許一発取得」を実現した人たちのページが目に留まりました。
我が家ではツマがライダーなんですが、私は2輪免許を持っていないのでツーリングには行けません。
教習所に行くのも時間が無いな、などと思っていた私には一筋の光明でした。

ただ、一発試験をするからには、最低でもバイクの操作に慣れておかなければいけません。
Webの人たちは、例えば1週間をフルに休んで何度も試験を受けていたようですが、特に私の現状では無理です。
そこで、とりあえず普通自動車免許で乗れる原付に目をつけました。

調べてみると、意外に種類は充実してるんですよね。
排気量が少ないため原則として2ストローク、但し環境問題があって新車で2ストロークが買えるのはごく一部。
もちろん、練習車である以上は新車なんてもったいない。
原付マスターであるあにき氏(仮名)の意見も仰ぎ、いくつかの車種にターゲットを絞りました。
アプリリア RS50、YAMAHA TZR50。HONDAもNS-1を出してるんですが、メットインなのがナンパな気がして。
まあ、現状をよく知らなかったものでして。

実際にやふおくを見てみると、アプリリアが10万以上、TZRが6〜9万というところでしょうか。
13万で整備済みアプリリアが出てたりもしたんですが、迷っているうちに逃してしまいました。

ワレ、捕獲ニ成功セリ

2003年8月

7月後半から、落札バトル開始です。
まだやふおくの仕組を完全には把握しておらず、自動延長なしの物件に急いでつぎ込み、挙句に負けたりもしつつ。
足立の業者が出しているTZRをそれなりに高価で落札成功しました。

近場の範囲ですので、自力で取りに行こうと画策します。
メット持参で乗ってこようかとも思ったんですが、何分、ミッション50ccに乗るのは初めてですし、 何か不具合があったら対処できません。
50ccマスターのあにき氏(仮称)が、快く自走引取りを引き受けてくれました。
足立から自宅までおよそ80kmの道のりです。
レンタカーでトラックを借りたり、2x6材で猫板を作ったりして念のための用意をしておいたんですが。
あにき氏は無事に完走してくれました。
感謝感謝です。

始動できない?

2003年8月

あにき氏に自走引取りしてもらった翌日。
嬉しさのあまり、早速いろいろと練習してみようと頑張ります。
が…エンジンが掛かりません。
そういえば、実家にあったJOGもキックでエンジン掛けるのが苦手だったな、と嫌な思い出が脳裏を掠めます。
30分くらい延々と試して、ついに力尽きてしまいました。
後ほどツマが試したところ、あっけなく始動してしまいます。

次に「押しがけ」にトライ。
車体重量80kgですので、普通2輪に比べたら軽い軽い。
でもコツを知らないので、とにかく大変です。
思いっきり速度をあげてリアタイヤをロックさせながら(汗)クラッチを繋いだり、酷い有様です。
ようやく始動したころには、またも力尽きてしまいました。
ただ、この試行錯誤は報われたようで、「50ccなら歩きながらの押しがけで十分」だと知ることができました。
個人的に、この行為を「お散歩」と呼んでいます。

1に練習、2に練習。

2003年8月

ようやく始動できるようになったので、早速練習です。
ところが、これがまた意外に難しい。
左手でクラッチ、左足でシフトチェンジ。右足はブレーキです。
とまあ、理屈ではわかるんですが、身体はなかなか覚えてくれません。
車体を倒すのも怖くて、特に右曲がりはする気も起きません。
心配のあまり愛車で後ろに付いててくれるツマは、とてもヒマそうです。(爆)
それでも、乗ってる本人は楽しいんですけどね。

操作を身体で覚え始めたら、すぐにスパルタ開始。
ぬるま湯の状態でちんたらやってても、身に付きません。
とりあえず10km程度のところにあるファミレスまで食事に出かけます。
まだまだ操作に不安はありますが、とにかくスロットルを開け、 気分は普通のライダーでどんどん操作していくことにしました。
これが功を奏したようで、かなり良い感じです。

でも、帰る頃には腕が疲れきってしまいました。

再び始動できず。

2003年8月

私もいい齢ですので(笑)、覚えたことを継続的にやらないとすぐ忘れてしまいます。
というわけで、頻繁に乗ろうと考えていたんですが。
どうも始動性が悪いんですよね。もちろん、私のキックがヘタクソというのもありますが。

そうこうしているうちに、全く始動しなくなってしまいました。
キックも駄目、マスターした押しがけも駄目。
それどころか、押しがけが異様に重く感じられます。すわ体力の低下か?とも思ったんですが、それにしては…。

動かないのは仕方ないので、試しにバラしてみます。
どのみち整備は自分でやろうと考えていたので、マニュアルは購入済みですし。
で、蓋を開けたところ…エンジン焼きついてました。(汗)

エンジンO/H済の極上車じゃないのか業者!

…いや、うちに来た時点でチョークアッシやらプラグやらが緩んでたり外れて紛失したりで、嫌な予感はしてたんですが。
結局、ピストンの吸気部あたりが折損していました…。

おっちゃん、TZRのエンジンはナンボや?

2003年9月

こんなことでめげてはいられません。早速やふおくでチェックです。
幸い、エンジンを大量出品している人がおり、その他にも出品者がいます。

ところが、焦っていたのでしょうか。焼きつきエンジンを購入してしまいました。(爆)
丁寧な対応をしてくれそうだったんですが、相手にする時間も惜しいので、ドブに金を捨てて次に移ります。
こちらは実働車外し、何体もエンジンを出品してる業者だとか。届いたブツにはラジエターやキャブまで付いています。
これで3,000円とは非常に良心的です。何と言っても、焼きつきエンジンの半額以下です。(爆)

転んでも ただで起きたら貧乏人

2003年9月

元々、TZR50Rが欲しかったんですよ。あのテールカウルのラインは美しい。
でも、購入したのはTZR50。テールカウルが古いデザインです。
なら付け替えてしまえということで、50R用テールカウル回りを落札しまくりました。
まあ、あにき氏(仮称)に「付くよね?」と打診してYESという回答を得ていたのですが。
でも、実際には付きません。全然付きません。シートレールの形状が全く異なります。
どうやら氏は、アッパーカウルについて質問されていると思ったようで。意思疎通に失敗です。

無論、その程度で諦めていたら、無差別爆撃状態の仕事ストレスをさらに増幅するだけ。
忙しさのあまり壊れていて、怖いモノ無しの状態です。勢いに任せて加工取り付けすることに。
ついでに、車体をオールペンすることにします。どうせエンジン載せ替え中だし、動かない今は逆にチャンス。
プラス思考 全壊 全開です。

業者は「外装は3点」なんて言ってましたが、どう見ても2点レベルです。ボロボロです。
洗浄と補修をしっかりやって、ベランダで缶スプレー塗装。
クルマが赤なので、TZRには黄色をチョイス。これで青い何かを保有すれば信号機です。(違)
同時にエンジン換装も着々と進めます。
時間はありませんが、幸い今の作業場所は自宅に激近なので、出社前やら昼休みやら夕休みやらをフル活用して作業します。
それでいて帰宅は午前様だったりします。 後で考えても、ものすごいバイタリティを発揮しています。
自主休暇の回数もそれなりですが。(笑)

復活!

2004年1月

とりあえずエンジンは乗りました。動きます。
が、どうも不調です。
不調な挙句に、また動かなくなってしまいました。
私の灰色の脳細胞は「焼きつき」の4文字で一杯です。

とは言え、まだ調べることはあるはず。
とりあえずピストンの様子をEX側から覗いてみると、綺麗なものです。ああ、一安心。
それはそれで有難いのですが、何しろ初心者なので原因不明な事態が非常に多く、 関係ないところを含めてやたらと試行錯誤してしまいました。
中古エンジンを疑ってみたり、CDIを疑ってみたり、キャブやらオイルラインやらを疑ってみたり。
一つずつ潰していくわけですが、これがまた大変です。
ストレス発散パワーに任せて、金額軽視(無視でないところが貧乏人)でどんどん行きます。

途中、焼きつきシリンダーにペーパーを当て、新ピストンアッシを奢ってみたら10km程度で再度焼きついたりとか。
準備時間のおよそ1/20程度の時間で不動になったんですから、もう涙モノですよ。
いや、載せ替え当初からマトモに動いてなかったので、こうなるのも予想の範囲だったのは確かですが。
深夜に、工事現場のおっちゃんの声援を受けながら5kmばかし押して帰りました。
おっちゃん、応援ありがとう。元気出たよ。

結局、悪かったのがイグナイタ。着火能力が低くなりすぎ、点火できなかったわけです。
新品をおごってやると元気になりました。
カウル塗装も一通り仕上がり、バイクらしさを取り戻しました。

バッテリー充電せず

2004年2月

暫くは楽しく乗っていたんですが。
いつの間にか、バッテリーが切れてしまいました。 挙句に、暫く走ってもちっとも充電してくれません。
まあ、もともとキック始動のエンジンですから、バッテリーが上がっててもそうそう問題は無いんですが。
でも信号待ちでウィンカーが点かないのは危険です。

ここでまた、エンジンがおかしいのかと思ってしまうんですよね。
何せ中古の素性不明エンジンですから。発電が上手くできていないのかな、と。
サービスマニュアルを見ると、点火用と電装用の発電は別系統なんて書いてありますし。

ということで、せっかくジャンクエンジンが2機もあるので、発電系の移植をすることにしました。
ところが、これがまた一筋縄では行かず。
そもそも回り止めのSSTも無い状態ですし、スタッド取り外しのためのSSTもありません。
それでも無理やりに回り止めして、ギアプーラーを購入してスタッドも取り外して。
と、ここで壁に当たってしまいました。
コイルを固定している皿ボルトがしっかり留められすぎていて、ドライバーでは舐めてしまうのです。
しばらく足掻いていたものの、結局は諦めてしまいました。
今なら電動インパクトドライバーで外せるんですけどね。電動工具は偉大です。

とは言え、このままでは収まりがつきません。
悶々としているときに、ふと思い至って充電電圧を調べてみました。
3,000rpm以上で12Vなら正常のはずです。 が…やはり7Vくらいにしかなりません。
続いて発電直後の線を計測してみると、なんと、回転数に従って電圧が上がっていきます。
つまり、発電系は正常ということ。

そんなわけで、レギュレターを新規購入して万事解決となりました。
いやはや、思い込みで行動してはいけませんね。

さあ改造だ

2004年2月

満足に動くようになってくると、今度は別の不満が出てきました。
巷のページなどを見ると、TZRはリ解+αだけでぬわわkm/hを超える性能だとか。
一方で、私のTZRは頑張ってゆわkm/hが限界です。
そういうことならば、改造するしかありません。やふおく物色です。

50ccのままでパワーアップするなら、基本はキャブとチャンバーです。
キャブはTZR50R後期のものを落札、チャンバーは正体不明の自称レース用を購入。
また、フロントのスプロケも2丁ほど上げておきます。シフトチェンジが忙しいのが少々嫌なもので。
キャブの効果は絶大で、露骨にパワーアップしてしまいました。
まあ、エアクリーナーを純正からむき出し型に変えたせいも大きいんですが。

一方のチャンバーは、少々ボロボロ。
外見がボロボロなのはいいんですが、性能に関する場所がボロボロです。穴開いてます。
まあ、それでもどうにか誤魔化して使ってみると…これが性能よい。
きっちり隙間を塞げば、きっとかなりの性能が出てくれるに違いありません。
現在は爆音ですが、隙間を塞げばこれも…。
などと思って試行錯誤してみるも、そのうち折れてしまいました。(爆)
帰り道の恥ずかしかったこと。原付レプリカ珍走仕様ですぜ、ダンナ。

もいっちょ改造

2004年3月

今度は、バックステップと2本出しチャンバー。
バックステップは、最近売っている純正ステップ利用のものではなく、ステップ交換タイプです。
まあ、ボロボロでパーツ欠品多しなんですが。 そこは知恵と勇気となけなしの財力でカバーします。
無事に使えるようになってめでたし。

2本出しチャンバーは、元から欲しかったんですよ。
いや、50ccに2本出しだとスカスカすぎて駄目なのは聞き及んでるんですが。
どのみちぬわわkm/hなんて出ないし。(拗)
付けてみると、確かに格好はよくなりました。 気になるスカスカ度もそれほどではなくて。
まあ、純正チャンバーよりも駄目な時点で、実用性は皆無なんですけどね。

その他、細かいところをいろいろといじってゆきます。
速度計をFZR250のモノに換えたり、リアフェンダーにRGVγのモノを流用したり、ナンバーボルトを自作の荷物フックタイプに変えたり、ウィンカーを車種不明の大きいものに変えたり…。
普通の人が変えるであろうグリップとか何とかには手を出してませんが、そこはそれ、盆栽ですし。

あとは、欲を言えばTDR80のエンジンが欲しいところです。
3TU型のTZRにはほぼポン付けできるらしいので。

そして 伝説へ 放置プレイへ


そんなこんなで頑張って仕上げたTZRですが、次第に乗らなくなってきました。
そう、念願のRS50を入手したためです。
入手する気になったのも、TZRでしこたま苦労した挙句に「これならRSで苦労しても変わらないな」と思うようになったからですが。
TZRには可哀想だけど、やはりパワーがあった方がよいのです。

そして、RS2号が来てとどめを刺されました。
自賠責3台分は少々厳しいので、TZRの分をRS2号に回して。
この際に廃車にしないと自賠責の付け替えが出来なかったので、ついにナンバー無しです。

この際だから、使ってくれる人の元に出そうかと画策中です。
ここまで盆栽したものを朽ちさせるのは忍びませんし。

さよならTZR


2年?に渡るオーナー探し単にサボっていただけとも言うの結果、ツマの元同僚?の弟の友人が原付を探しているとの打診が来ました。
今まで使っていたモノが寿命だとのことです。
普段から使っている人でしたので、それなら大丈夫だろうとお譲りすることになりました。

とまあ、それは良いのですが。
ある日、ツマの元同僚?(今では店長さんだったりします)のお店に買い物に行ったところ、「今夜取りに行っていいですか?」とのこと。
ちょっと、いやかなりビックリしましたが(汗)、お互いの都合も付きにくいですので、来てもらうことにしました。

実は、この時点で、ガソリンが腐っているためか不動です。
この事実は先方に伝えてあるのですが、そのまま渡すのも何ですので、夜中にがさごそとTZRを引っ張り出し、タンクに残っていたガソリン(2リッター以上…)を抜き、比較的新しいガソリンを入れ、プラグを交換し、ついでにプラグホールからオイルを数滴垂らして始動チェックしてみます。

この状態で始動チェックしようと押しがけを試みると、何と、リアタイヤがロックします。(汗)
RSならともかく、TZRの押しがけでロックしたのはエンジンが焼きついた時以来です。(瀧汗)
まあ、それでも、普通にキックしてみると普通の感触です。
恐らく、タイヤの劣化+路面の寒さ+エンジン放置によるオイル硬化によるものでしょう。
先方としては、先ずバイク屋に見てもらうそうなので…。

こうして、最後の1年くらいは不幸だったTZRがドナドナされてゆきました。
新しいオーナーの下で、元気にやって欲しいものです。

2トントラックに載せられて連れていかれるTZRを見て、思わず一言。
「あー、やっぱかっこえぇ〜」(爆)
…ええ、これでパワーがあって、も少しフレームがしっかりしてて、フロントの足回りがしっかりしてれば言うこと無いんですけどね。


.
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送